【第一話】

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 神(ジン)という名の少年。 その少年は、殺し屋だ。  しかし、神は殺人現場を警官に見つかっても捕まらない。  それどころか、労いの言葉をかけられるくらいだ。 「御苦労様です。処理は、こちらにお任せ下さい。車を用意してありますので、家までお送り致します。」  それを神は、さも当たり前かのように回されて来た車に乗り込む。  そのやり取りは、まるで神と警官が仲間であるかのよう。  本来ならば敵同士のはずの神と警官は、ある契約の下、味方同士なのである。  つまり、神は警察お付きの殺し屋…否、警察の犬だ。  しかし、警官達は神を全面的に信用しているわけではない。  むしろ、常に監視、警戒されており、必要ならばと身構えている者さえいる。  無論、神も警官たちを信用してなどいない。  よって、神と警官とのやり取りは必要最低限にしか、行われない。  お互い、情が移ってしまうのを防ぐためだ。 神は、殺人鬼だった。  当時15歳だった神は、快楽のために殺人を繰り返した。  しかし、今では「仕事」になっていた。  ひょんなことから捕まり、死刑を待つばかりの身だった神だが、死刑は執行されず、執行猶予期間中のある日。
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