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神は手錠をされたまま、会議室のようなところに引っ張り出された。
部屋には、神を取り囲むようにして、大勢の警官が控えていた。
神は、そのあまりの厳重体制に思わず、ニヤリと口の端を吊り上げる。
何人か居る中の一番若いが、一番偉そうな男が中央に鎮座していた。
その男は、自分は長官だと名乗り、神をここに呼び出したわけを話始めた。
「死刑にしてしまうには、君はあまりに勿体無い逸材だ。そこで我々は、君を引き入れようと考えている。死刑を免れる代わりに我々に協力する、というのはどうだね?君にとっても、悪い話では、あるまい。」
そして、神の返答より早く一言付け加えた。
「こんな若くして、死にたくはないだろう?」
神はそれを、戯言だとでも言うように鼻で笑う。
「さぁ?どうだろうな?俺は、そんな事に興味はない。いつ死のうが構わないね。」
そして、神は物怖じすることなく、淡々と言い放つ。
「そんなことより俺をどうするか話し合ってて、判決前に決まらなかったから、執行猶予が付いたってわけ?道理で、おかしいと思ったんだ。普通、即死刑だろ。」
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