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そう自嘲するように笑うが、少し考えるそぶりを見せる。
すると、長官の顔が少しだけ綻ぶ。
「では、交渉成立ですかな?」
しかし、神はそれをきっぱり否定すると、回りの警官たちの顔が曇る。
神は、その顔を待っていましたとばかりに、にやりと唇の端を歪め、一同を嘲る様に言い放つ。
「仕事内容と報酬によるね。」
すると、1人の警官が、もう我慢ならないという風に噛み付きそうな勢いで、吠えた。
「いい加減にしやがれ!!この忌々しい殺人鬼!貴様は、所詮我々に生かされてるだけなんだ!立場を弁(わきま)えろ!この屑っ!!」
口汚く罵られた神だったが、それに堪えた様子もなく、逆に挑発するように言葉を放った。
「それは心外だね。俺が、いつ命乞いをした?俺は、別に死刑でも良かったんだぜ?」
それに激昂した警官は、拳銃を抜き、神に銃口を向けた。
「ならば、お望み通り殺してやる!」
しかし、打つ間もなく、手錠を掛けられているはずの神の手によって、撥ね飛ばされる。
そう、神はいつの間にか、手錠を外していたのだ。
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