【第一話】

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 お昼時を過ぎていることもあり、店は空いているのだが、あれだけの量を頼めば、時間が掛かるのも仕方ない気もする。  それから、更に二十分が経過する。 カツ、カツ、カツ、カツ…。  静かなフロアに神の苛立たしげに、テーブルの天板を人差し指で叩く音が聞こえ始める。  すると、そこへウェイターが五人がかりで、料理を運び、テーブルを一つ増やし、その上にも並べていく。 「やっと来た。」  神からは、今にも溜息が聞こえて来そうだ。  しかし、神は溜め息をつかずに目の前に並んだ料理を見つめていた。 「まぁこれだけあれば、仕方ないか。では、頂きます。」  神は、そう言って、顔の前で両手を合わせ、騒然と並んでいる料理を食べ始める。 「ご馳走様でした。」  それを三十分余りで完食した神は、ウェイターを呼び、デザートを持って来てもらう。 「よし、次はデザート♪」  良く冷やされたデザートは、熱い料理によって火照った体を心地よく冷やす。 「この店、料理もデザートも旨い。特にこのレアチーズケーキとオレンジのソースの組み合わせが最高♪」  神は、程よい甘さのデザートに舌鼓を打ち、満足げに感想を漏らす。
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