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Ppppppp!!!!
大音量で枕元のアラームが激しく鳴り響いた。
「う゛~。うるせぇ…。」
神(じん)は、不快な電子音に不機嫌丸出しの声で呻き、目覚ましを殴って止める。
時間を確認して、六時だと知り、やっとの思いでベッドから這い出す。
低血圧な神は、朝に極度に弱く、起き抜けは動きが亀のように鈍(のろ)い。
きっと、彼を殺すなら絶好の機会だろう。
しかし、そんな事を暗殺者達が知る由(よし)もなく、白昼堂々、殺しに来るような間抜けもいない。
そもそも、それでは「暗殺」とは呼べないだろう。
神すらも昼間には、殺人を避ける傾向がある。
それはそうとして、神は携帯電話を掴み、そのまま階段を降り、キッチンへと入った。
神は、冷蔵庫を開けて中からペットボトルを取り出し、冷たいミネラルウォーターを渇いた喉に流し込む。
「ぷはぁー。あ~眠っ…目ぇ覚めねぇ~。…顔でも洗って来るかぁ。」
神はまだ眠たい目を擦りながら、間延びした声でそう呟く。
顔を洗おうと、キッチンを出た矢先、携帯電話の着信音が鳴り響く。
神は、多少驚きつつも携帯電話を開いて、メールを確認する。
メールはリーダーからで、今夜の仕事内容についての連絡だった。
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