14人が本棚に入れています
本棚に追加
神はそれを見て、確認するように内容を繰り返す。
「今夜は大物2人、雑魚10人か。」
しかし、神の言う雑魚とは、5人以上を殺めた犯罪者。
巷(ちまた)では充分凶悪犯だ。
今の発言で、神の異常さの断片がほんの少しだが、伺えるだろう。
「さて、身支度身支度。」
神は、携帯電話を閉じ、洗面所に入るなり顔を洗い、鏡に映った寝癖髪に眉をしかめた。
『すげぇ寝癖…。』
至る所がハネた髪の毛をワックスで整えた後、神はリビングに戻って朝食を済ませた。
そして、再び2階へと上がり、寝室ではない別の部屋に入る。
そこは、窓が1つもないため、昼間でも明かりを点けなければならいほど真っ暗だ。
神が手探りでスイッチを探り当てて照明を点ければ、そこには武器とその備品類が騒然と並んでいた。
拳銃、ライフル、刃渡り15センチほどある艶消しの施された刀身の黒い暗殺用ナイフ、日本刀、ボウガン…暗視スコープ、サイレンサー、弾丸、鞘(さや)、矢…。
そう、ここの部屋は納戸もとい、武器庫。
神はそこで、愉しそうに今夜の装備を選ぶ。
「今日は、どれ持ってこうかな♪」
しかし、そうやって選び出した物は結局、いつもの刃渡り10センチの黒い刀身を持つ、暗殺用にしては少し大振りなナイフと拳銃だった。
最初のコメントを投稿しよう!