【第二話】

5/7
前へ
/94ページ
次へ
 そして、ナイフは剥き出しのまま無造作にその横へ並べ、ナイフを落とさないようにそっとベッドから離れた。  装備の整備が終わり、ふっ時計を見上げると12時を少し回ったところだった。  神は、着替えるかどうか数秒間迷ったが、結局着替えずにそのまま昼食を食べに再び1階へと降りていった。       ‡ それから、数時間が経過。  神は白のパーカーと少し緩めなカーキ色のカーゴパンツに着替えた。 靴は、編み上げブーツ。  その底には、目立たないくらいの切れ込みがあり、中には小さな刃を持つ、ナイフが仕込まれていた。  蹴りを繰り出した時に飛び出す仕組みだ。  そして、左足側に拳銃がホルスターで吊るしてあり、腰の後ろには、ナイフが数本引き抜ける様に交互にホルダーに納めてあった。  その他に手足には数本ずつ仕込みナイフが忍ばせてあるが、神はあまり仕込みナイフを使わない。  そのため、それはほぼ飾りと化していた。  しかし、神は“備えあれば憂いなし”と、外そうとしない。  果たして、神に“もしもの時”は来るのだろうか。  まぁそれは一先(ひとま)ず置いて置くとして、今夜は10時から仕事開始だ。  そこに神が居るのにも関わらず、リビングには静寂が降りていた。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加