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そして、男は叫んだ。
「貴様、いつからそこにいたっ!?答えろ!!」
しかし、神はそれに動じず、男を鼻で笑った。
「そんな大声出して、良いのか?誰か、来ちゃうよ?」
更に男の怒りに拍車をかけるように少しだけ嘘を含め、煽った。
「いつからっていう質問に対してだけど、あんたがその人を殺すちょっと前からかな?」
そう、本当は神は殺害された後を目撃しただけで、実際は殺す現場を見てはいない。
しかし、そこは嘘も方便。
神は、ターゲットかもしれないその男を挑発して、こちらのペースに巻き込もうとしているのだ。
案の定、男は激昂し、両手の鎌を鎖で繋いだ特殊な形状をした武器を振り回し、神に襲い掛かって来た。
しかし、神はそれを後方に飛び、避ける。
神は、次々と繰り出される攻撃を華麗な体術で回避し、男との距離をどんどん広げていく。
そして、男の武器が届かない距離まで引き離すと、壁に飛び乗り、逃走を謀る。
「俺の口を塞ぎたかったら、追ってきな。」
神は、男に向かってそう告げると、壁の向こうに降り立ち、ある場所へと走り出した。
神の背後で、レンガ壁が轟音と共に破壊され、大穴が口を開けた。
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