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そして、建物の入口にたどり着いた神は、何者かの手によって壊され、コンクリート剥き出しの床に転がっている扉を踏み付けて、中に入った。
神は、走る速度を緩めることなく、そのまま奥へと進み、階段を上へ上へと、昇っていく。
「どこだ!!どこにいるクソ餓鬼!!」
階下から男の怒声が聞こえ、男が自分を見失っていたことに気が付いた神は、階上から叫んだ。
「こっちだよー!!上がっておいでよ♪くまさん♪」
神は、犬でも呼ぶように男を呼び、更に煽る。
「あの餓鬼…舐め腐りやがって!!」
男は吠え、階段を駆け上がるが、そこで神に追い付くことはなかった。
男が、息を上げて階段を上りきると、最上階の何もない部屋の中心に男に背を向ける形で、神は佇んでいた。
男は、この期を逃すまいと、神に近づく。
しかし、タイミングを見計らったように神は、振り向きざまに男の脚を撃ち抜く。
男は、左脚を押さえて呻き、歩みを止めた。
影になっていて、男には見えなかったようだが、神はすでに拳銃を手に納めていたのだ。
「早まるなよオッサン。確認もせずに殺しちまったらどうすんだよ。」 神は、やれやれと言ったように肩を竦める。
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