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プルルル、プルルル
呼び出し音が鳴り響く。
「……出てくれ、美紀」
プルルル、プルル、ガチャ
『もしもし…』
「もしもし!?美紀か!?」
『ハィ…、将くんですか?』
「あぁ、そうだよ」
『本当に…、将くんですか…?』
泣きそうな声で美紀は何度も聞いてくる。
よっぽど信じられないんだろうな…
「今から話したいんだ、すぐに会えるか?」
『ハィ…、大丈夫です』
「じゃあ今から言う場所に一人で来てくれないか?」
『ハィ…』
「場所は…」
「来てくれるかな…」
先に約束の場所に着いた俺はベンチに座って待っていた。
約束の場所…、小学校近くの公園だ。
子供の頃ここでかくれんぼした時、美紀だけが見つからなかくて探しまわった公園だ。
「何も変わってないな…」
「そうですね、何も変わってませんね」
声をかけられて振り返ると美紀が立っていた。
「こんにちは、荒城君」
「えっ?」
今…、荒城君って言ったか?
「座っていいですか?」
「あ、あぁ…」
俺の中で言い知れぬ不安が心によぎっていた…
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