~始まりの春~

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屋上は誰もいなくて静かだった。 その静寂の中、俺たちはパンを食べていた。 「なぁ天野」 「なんですか?」 「友達と飯食う約束とかなかったのか?なんか無理矢理誘ったみたいになってたけど…」 「いえ、大丈夫です。そんな約束ないんで…」 「ならいいけど…」 気まずい…、会話が続かない… 「あの…」 「ん、何?」 急に話しかけられるとそれはそれでビックリする… 「なんで私に良くしてくれるんですか?」 何でだろう…、わかんないな。 「わかんねぇな。困ってたから助けただけだし」 でも俺、今までそんなことした覚えないな… 「ありがとうございます、荒城さんは優しいですね」 「たまたまだよ、もう教室に戻ろう。もうすぐチャイム鳴るし」 「そうですね」 「私はこっちなんで」 「おぅ、またな」 「ハィ」 天野と別れて教室に入ると涙目の直樹がいた。 「何してんだ?」 「うるさいやい!!」 ほっといてやるか… 授業が始まると睡魔が襲ってきて、眠ってしまった… 「……平」 ん、誰だ…? 「……平!!」 夢か? 「起きろー!!」 後頭部に強い衝撃が走った…
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