~始まりの春~

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「いってーな!!何すんだよ!!」 「起きないあんたが悪い」 コイツが女じゃなかったら殴り返してるとこだ… 「それより今から予定ある?」 「あるね」 本当はないけど何させられるかわからんし… 「嘘ね」 「嘘じゃねぇよ」 「だってあんたが嘘つく時、右手の人差し指が不自然に動くもん」 何?俺にそんな癖が? 言われて右手をポケットに突っ込んだ。 「バカね~。嘘に決まってんじゃないの」 やられた… 「用事、あるの?」 「……ありません」 「はい、これもお願いね」 「重い…」 「男でしょ?大丈夫よ」 何が大丈夫なんだろうか… 今は美術室にいる、理由は茜の用事だ。 部室の移動があるらしく荷物の移動を手伝わされた… ちなみに重い物ばかり… 「これで最後か?」 「うん、ありがとう。たまには役立つわね~」 「怒るぞ…」 「ジョークよ、はいこれ」 不意にパックのジュースを渡された。 「なにこれ?」 「お礼に決まってんじゃない、なに?要らないの?」 「いるいる、ありがとな」 軽く礼を言ってから飲んだ。 「プハ-、働いた後の一杯は格別だな」 「オヤジ臭い…」 「茜ちゃん、道具運び終わりました…、って荒城さん?何でここに?」 振り返ると天野が立っていた。
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