~始まりの春~

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「もう遅いし…、帰ろ?」 沈黙の中、茜がそう切り出していた。 「そうだな…」 帰る時も重い空気になっていた… なんとかしたいと思っても俺に何ができる…? 自分の無力さに腹が立つ… 「それでは私はこっちなんで…」 「バイバイ、また明日」 「気をつけて帰れよ」 天野と別れて、二人並んで歩いていた。 「なぁ、もう一度美術部を再建できないのか?」 「わからない…」 「そうか…」 悩んでても仕方ない、明日やることは決まった。 次の日、朝早くから登校して担任のところに行った。 「なに?廃部になった部活を復帰させる方法?お前が聞いてどうする」 「別にいいだろ、そんなことは」 「相変わらず口の聞き方がなってないな…、まぁそれは置いといて…」 「ありがとうございました」 「あぁ、頑張れよ」 微かに希望はあるらしいことがわかった。 茜や天野に教えないとな。 ……すでにチャイムはなった後だったらしく担任に怒られた… 担任より先に出たのになぜ先にいるんだ?
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