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美紀は横に座ってきた。
そしてお互い話し出せずに沈黙が流れる…
いつもと呼び方が違うかった…
それはどういう意味があるっていうんだ?
「あの…」
「ん?」
「昔話をしていいですか?」
「あ、あぁ…」
「ありがとうございます…」
美紀は礼を言うとゆっくり深呼吸し始めた。
そしてゆっくりと話し出す…
「昔、私は引っ込み思案でいつも一人でした。小学校に入学する時、また一人ぼっちの生活が始まるんだと思ってました。でもそんな毎日から抜け出すきっかけを作ってくれたのは入学式に出会った男の子でした…」
もしかして…、あの時の女の子も美紀だったのか?
「嬉しかったです、声をかけてもらえて。その男の子はいつも私を楽しい場所に連れて行ってくれました」
毎日のように遊んでたからな…、あの女の子と一緒に違う友達と遊んで…
「かくれんぼをした時も最後まで出てこない私を探しまわってくれました…」
美紀との思い出…、たくさんあったんだな…
「そして…、その男の子が急にお休みしたんです。今まで休んだ事のないのに…」
……母さんが死んだ時だろうな。
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