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「会いに行けばよかったんです…。でも恥ずかしくて…、結局行けず仕舞いでした」
「そうなのか…」
「そして…、月日は流れて高校生になったある日…。あの男の子に似た人が私を助けてくれました…。なくしたストラップを探してくれたり、廃部寸前の部を立て直してくれたり…」
「その男の子との日々は…、楽しかったか?」
「ハィ、とても楽しかったです。これからも続くと思ってました…」
「なぁ美紀…」
「私…、今日荒城君と会ったのは…、けじめをつけるためです」
「けじ…め…?」
「ハィ…、私…、荒城君と別れます…」
「なっ…」
「今まで…、楽しかったです…。荒城君も同じ用件でしたよね?」
「美紀…、俺は…」
「ありがとうございました」
美紀は立ち上がり帰ろうとした。
「美紀!!」
俺の呼び掛けにも振り返らずに…、その場を去ってしまった…
「なんで…、追わなかったんだ…」
理由はわかってる…
美紀に面と向かってフラれたからだ…
「俺は…、別れ話なんかしに来たんじゃない…」
すでに手遅れなのにそう呟いていた…
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