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俺は無言で屋上から出ていった。
茜が何か叫んでいたけど、今はうるさいだけだ…
もう少しでチャイムがなるためか、廊下には誰もいなかった。
でもそれは逆にありがたい状況だ。
今の気分だと誰の声でも苛立ちを覚えるから…
教室に戻らずに俺は中庭に向かった。
あそこの木陰で眠ると結構気持ちいいからな…
しかも校舎からはほとんど見えないからバレにくいし。
「なんで学校に来たんだ…?」
まずそこから間違ってたな。
直樹の家に閉じ籠っていればよかった…
……そういえば荷物取りに行かないと。
美紀がいない今行こうかな。
どうせ授業なんて受けないし…
結局中庭には行かずに美紀の家に向かうことにした。
有紀さんいるかな…、あの人にはちゃんと話しておかないと…
美紀の家に向かう足取りは少し重かった。
あの日以来行かなかった場所。
意図的に避けていた場所。
「今日行ったらもう二度と行くことがないだろうな…」
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