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「俺が言いたい事はそれだけだ。後はお前次第だ」
そう言うとオッサンは立ち上がり店を出ていった。
俺もオッサンを追いかけるように店を出た。
「オッサン!!」
少し遠くにいるオッサンに叫んだ。
「もう少しだけ、荷物預かってくれ!!頼む!!」
「早くしねぇと捨てちまうからなー」
オッサンは歩きながら言ってくれた。
俺はあの日からずっと後悔していた。
なぜ美紀を呼び止めなかったのか?
なぜもう一度好きだと言えなかったのか?
自分の殻に閉じこもって傷つくのが怖くて…、逃げていたんだ…
オッサンが気づかせてくれたんだ。
逃げてるだけじゃダメだって。
掴みにいかないとダメだって。
俺は学校に向かって走った。
美紀に会って話そう。
もう一度…、いや何度だって会って話す。
美紀ともう一度一緒に歩きたいから…
学校に着くとちょうど昼休みだった。
中庭に人が何人かいて、昼飯を食っている。
俺も腹減ったけど今はそんなこと言ってられない。
向かうは美術部の部室だ。
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