227人が本棚に入れています
本棚に追加
穴から出ると、幻想的な世界を作り出した場所に龍也はいた。草の弦が天井を伝い天井の一部崩れている所が雨が降って溜まったので在ろう水の上をスポットライトのように照らし出しその水の上に塊が一つ浮いていた。どうやらここは廃墟らしい。
とっさに後ろに振り向いたが、其処には今まで通ってきた道は既に無く有るのはただの空間だった。
本当ならステーションに出るはずの龍也は途方にくれた。そもそもプログラム以外の場所に出れるのだろうか?
そんな龍也は足音を聞く
ピチャピチャ
誰かが水の上を走ったようだ。
龍也は立ち上がり誰かと辺りを見回すが誰もいない。気のせいかと思った頃突然声が響く。
「待っておったぞ。」
バッと龍也は後ろを振り向いた。
「そんなに慌てる事もなかろう?」
居たのは黒いローブで顔まですっぽり覆い手には持ち手に鳥のような飾りがついている杖を持った老人だった。
最初のコメントを投稿しよう!