7月

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「もう少しで、太陽が水平線に消えるな」 「うん、私ずっと楽しみだったんだ」 そう言う彼女の目は輝き、そして太陽一点のみを見つめている。 俺は突然、嫉妬の情が沸いた。 なんでかは分からないけど、林檎に見つめられていいのは俺だけな気がした。 ...流石にそれは冗談だけど。 俺も変だな、太陽相手に。 「ちょっと、俺を見て」 「うん?...ぁ」 何を思ったのか、林檎は目を閉じてこちらへ顔を向けた。 俺は直感的にキスだと思った。 「馬鹿、まだ早えよ」 「...うん」 林檎はしょんぼりした声でそう言った後、再び太陽へ向き直った。 ...なんで俺はもっと気の利いたことが言えないんだろう。 自分が不甲斐なかった。 だが、彼女はそんな俺と一緒にいてくれる。 「大事にしなくちゃな」 「...え?」 「いや、何でもない」 「そっか。言えるときになったら言ってね?...私はいつでも聞いてあげるからね」 ...やはり、大切にしないといけないな。
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