7月

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俺は暫く、夕陽で山吹色に染まった林檎の横顔を見ていた。 「ほら、太陽が...」 林檎がそう呟いたことで俺は太陽へと顔の向きを変える。 「...綺麗だな」 「そうだね」 太陽はゆらゆらと波打つように、水平線に吸い込まれて行く。 次第に辺りは暗くなり、太陽は完全に視界から消えた。 「......不思議だな」 「...うん」 そう言っているのは、太陽が見えないのに辺りがオレンジ色だからだ。 「...」 「...」 二人して、太陽も浮かんでいないのにただ広い空を見つめ続ける。 それは、お互いの顔が見えなくなるまで続いた。
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