7月

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20日。 別にやましいこともせず目を覚ました俺。 「あ、悠大起きたね」 「おう...おはよう」 既に林檎は起きていて、俺にそう声をかけると部屋に備え付けの電話をかける。 「...はい、お願いします」 林檎はそれだけ言うと電話を切った。 「どこにかけたの?」 「フロント。部屋に料理を運んでくれるんだよ」 「ほー、気が利くじゃん」 「だよねー」 「あ、旅館がじゃなくてさ、林檎が」 「え?」 「だってさ、俺が起きたら直ぐに料理を頼んでくれるなんてかなり気が利くじゃん。惚れなおした」 林檎は急激に朱に染まる。 「別に...将来お嫁さんになるならこれくらいは当然だよ...」 「ははは、まさに林檎だな。真っ赤だ」 「う...」 俺たちがそんなこんなして遊んでいると、扉がノックされてから開く。 「お待たせいたしました。朝食でございます」 旅館の人は一言、失礼しますと言って料理を運んでくる。 廊下にある台から運んでくるようで、やはり手早い。 一分経つ前にはテーブルは料理で埋まった。 料理を並び終えた旅館の人はごゆっくりと言って出ていく。 俺たちはテーブルを挟むように座った。
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