7月

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机に並ぶ豪勢な食事たち。 焼き鮭、カブの煮物、ご飯、味噌汁、卵焼き、ほうれん草のおひたし、その他もろもろ。 「うわあ...流石は高級旅館!朝御飯も格が違うね、格が!」 林檎の目が輝き、箸を握って満面の笑みを浮かべる。 「...」 俺は若干、林檎の変わりように退いていた。 「ねぇねぇ悠大、早く食べよう?いいよね?いただきまーす!」 「...いただきます」 これが、《こいつが林檎だ》とよく実感する瞬間だったりする。 まるでフードファイターのように勢いよく料理にかぶりつく林檎。 「...ふぅ...ごちそうさま...」 かちゃりと箸を置き、休むねと言って部屋の奥で横になる。 ...ちなみに俺は、まだ焼き鮭の皮を剥がしたところだ。 う~ん、旨そう。 ふと視線を感じ林檎に目をやると、こちらをじっと見ている。 俺は焼き鮭を摘まんだまま固まる。 キラキラと光る林檎の双桙。 「あー、林檎?」 「...」 目を輝かせるだけじゃ何も伝わりませんよー? そう言おうと思ったが、何となく思ったことを言ってみる。 「あー、食べる?」 俺がそういうと、林檎は頬を膨らませた。
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