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「もしもし…。」
電話を取ったのは『私』じゃない…。彼女の名前は『紗優(さゆ)』。
「もしもし…?一瀬さん…かしら…?」
「……そうです………。」
ホントに『紗優』は無口だ…。余計な事は喋らないし、相手に聞かれた事にしか返事をしない…。
「…もしかして…、紗優さん?…私の事覚えてるかしら?この間、病院で会ったわよねぇ?佐伯緑(さえきみどり)…、わかるかな?」
紗優は、少し黙ってから応える。
「………はい。」
ホントにこの人は無口だ…。いい加減イライラしてくる…。
「一瀬さん。今度病院に来た時に、会わせたい人がいるの!次回は明後日の診察だったから、遅れないできてね!それじゃあ、澪麗さんによろしくね!」
そう言うと、佐伯先生は電話を切った。一方的だが、紗優の対応としては最高の対応であろう。
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