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カチャリとワルサーの安全装置をかける。
これで暴発の心配はなしっと…。
片手でくるんと回すとポケットにそれを突っ込んだ。
そして黒い帽子を目深にかぶり目元を隠した。
に、してもよ。
運転している部下をみる。
「ほんとによぉあいつらマジくそですよ。俺らにいちゃもんつけやがってよぉ……」
てめぇのほうがくそだ。
ずっと一時間近くひとりで喋っている男を軽く睨んだ。
こっちが舌打ちしても気づかない。
鈍いくせに運転は器用だか。
今まで事故ったことがないという男に少しだけ賞賛の笑みを浮かべた。
…本当に少しだけ。
こんなときあいつだったらどういうだろうか。
きっと冷ややかに見つめて毒でも吐くんだろうな。
俺はそれほど余裕じゃねぇ。
ただのチンピラ集団の幹部も…キツいもんだ。
無駄に売りにくる喧嘩。
無駄に買う喧嘩。
多すぎる。
BIRDMANより多い。
「今度因縁つけやがったらぶっ殺す!兄貴、マジ潰してくださいよぉ……」
まずてめぇを潰してぇ。
ほとほとうんざりして目を閉じた。
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