red

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「ハッカー?」 加えてた煙草を灰皿に置き異国の言葉で聞き返した。 お得意さんの黒人武器商人は異国語であぁそうだよ、と不満を顔に表して頷く。 それで後悔した。 なんだ、ただの愚痴か。 「そうなのさ、Mr.レッド! つい最近だ。個人的かつビジネスにも影響する情報が欲しかったわけ。 とても重要で場合によっちゃ国際警察も動く話さ。 少しばかり名のきいたハッカーに依頼したんだよ」 「あぁ、それで」と、適当に相槌をうちながら品定めに没頭していた。 この手の愚痴は聞き流すのが一番だ。 品といっても非合法なものばかり。 取引所といえばバスルームと寝床が一つ、台所が一つぐらいの簡単な部屋だ。 壁一面にはど派手な他国のポスター。 中には女の裸体まで貼ってある。 けれどそんなのは興味はない。 興味があるのは玩具だけ。 ほら、大人のオモチャが机には沢山。 小さな小さな処刑道具。
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