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少しため息をつき、黒光りする拳銃を一つ手にとった。
不良品でも偽もんでもない上質な銃だった。
けど、そんなのはちょっとどうでもよくてさっきから気になっていたことを問いかけてみた。
「で、そのお間抜けさんは誰なんだよ」
俺のその問いにこいつはソファーにどかっと座り若干のいらいらを含ませて答えた。
「lilyだ。
女だと思うだろ?男だぜ
それはどうでもいいんだ!
たくっあの男!
俺までFBIに捕まれってのか?!まったく冗談じゃない!」
「…そうか」
lilyか。
別にその男が捕まったとか捕まらなかったとかどうでもいい。
気になるのはその名。
薔薇ではなく百合。
似てるけど全然違う
内心驚いていた。
まだ、過去のことを引きずってることに。
また、会いたいと思ってることに。
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