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シャンパンもなくなって浴びるように酒を飲んで疲れちゃったのか一人はベッドの上で丸くなって眠っていた。 もう一人はというと甘えるように俺に寄り添っていて、しまいには後ろから抱きしめられていた。 抱きしめられる、ってことは嫌いじゃないから素直に腕を回されていた。 よくぎゅうっと抱きしめてたっけ。 そんでゴローちゃんに怒られってたっけ。 「ねぇシンゴー」 女が耳元でそっと囁く。 「なに?」と返事をしながら体を半回転させた。 二人の体が正面に向き合った。 「ずっと思ってたの。 この傷跡なぁに?」 「これ…?」 指さされた場所はちょうど胸のあたり。 乱暴に縫った傷口の痕。 俺は笑顔をつくった。 「あんねー俺、心臓弱かったの」 「え!?シンゴ大丈夫? 裸でいたら風邪引いちゃうよ シンゴ死んじゃう!」 「大丈夫だいじょぶー もう治ったからさ。 これは手術の時の傷跡」 ふにゃりと笑うと女は安心しきったようによかったぁーと頬にキスをする。 笑いながらそれを受け止め、俺も額にキスするときゃははと女は笑った。 二人でじゃれあいながらも、心はどんどん冷えていった。
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