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「聞いたか?ハッカーの与太話」
「あったりまえだろう。
あんな馬鹿ここ数年なかったんじゃねえの」
「本当だな。
サツに捕まるなんてよ、裏としてどうかしてるぜ」
がはは、と笑う黒スーツの男たちをそっと伺い視線をしたに落とした。
そこにはついさっき出来たばかりのカクテルがあった。
下の層は白くて上の層になるにつれて透き通る赤になっていた。
これ、オーダーしたのあの人たちなんだけど…いつ持っていこうかな。
正直話の輪に入り込むような感じで嫌だった。
さて、どうしようか…。
「ツヨシ、なにボーっとしてるんだ」
気づいたら、俺の後ろにこの店のオーナーが立っていた。
返事をする隙も与えず、オーナーはひょいっとカクテルを取りあげた。
「あ…それは俺が…」
「だったら早く運べよ。
ぼーっとしてるなら俺がやる」
言うが早いがオーナーはさっさと男たちのところへ歩いていき、夢中で喋っている男の前にカクテルを無造作に置いた。
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