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「それにしても、そのハッカーとやらどれだけ間抜けなんだか。
証拠隠滅なんて基本中の基本だろ?
なぁツヨシ」
「まぁそうですね…」
「なんだよ、あんま興味ねぇのか。
この手の話は」
俺があまり乗り気ではないのを見て不思議そうにオーナーは腕組みをした。
モップを手に取り曖昧に微笑んだ。
興味がないというわけじゃない。
むしろ大問題。
だってもしそのハッカーが彼だったら俺はどうなってしまうのだろう。
彼を助けにFBIまで?
ただ黙って受け入れる?
きっとそのどちらもしない。
だってゴローさんはそんなことしない。
仮に切り忘れてもするりと操作の網をくぐり抜けてしまうだろう。
そんな芸当をやってのけるぐらい"ピンク"は俺にとって完璧なハッカーだった。
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