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「はい」
光明は自分の消しゴムを半分に割って片方を手のひらにのせ差し出した。
「え?」
隣りの席の男子が驚いて光明を見た。
「消しゴム忘れたんだろ?かすよ」
「でも‥」
「消しゴムなんて半分あれば十分だ。あ、でも間違えすぎると足りないからあんまり間違えるなよ」
光明は笑いながら半ば無理やりに隣りの席の男子の手に消しゴムの半分をのせた。
「‥ありがとう」
「困ったときはお互い様だ。がんばろうな」
光明は笑って言った。
消しゴムを渡された男子はこくりとうなずいた。
そして試験が始まった。
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