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試験が終わり、教室にいた生徒達が少しずつ帰り始めた。
「おーい、光明帰ろうぜ」
違う教室にいた生徒が廊下から光明を呼んだ。
「あぁ。今行く」
光明はそう言って教室をでようとした。
「あの、これありがとう。助かったよ」
隣りの席の男子が消しゴムを差し出しながら言った。
「あー、それ持ってて」
光明は頭をかきながら笑顔で言った。
「え?」
「お互い合格したらまた会えるだろ?そのときに返して」
「だけど‥」
「合格する自信ないのか?」
「そんなことない」
「じゃいいだろ」
光明はニッと笑いながら言った。
「あ‥」
「入学式の日にまた会おう。俺も半分持ってくるから消しゴム忘れんなよ。約束だぞ。じゃあまたな」
光明は笑顔で言った。
そしてそのまま教室を出た。
「あっ‥おい、」
消しゴム片手に声をかけるが光明は手を振ってすぐに見えなくなってしまった。
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