2人が本棚に入れています
本棚に追加
光明は母親と一緒に体育館に入って行った。既に何人もの生徒が席に着いていた。
先輩に案内され光明も席に座る。
これから何度となくここに入るのだろう、そう思いながら体育館を眺めていた。
「あいつ、受かったのかな」
光明はふとそう思った。知らずに声をもらしていたが周りの声にかき消された。
「お待たせ致しました。これより、秀藍高等学校第92回入学式を開式致します」
教頭の声で入学式が始まった。
国歌を歌うところから始まり、長い役職名の人がでてきてわけのわからない話が続く。
初めはまともに聞いていた光明だったがしだいにあの日のことを思い返していた。
あの日の約束と約束を交わした相手のことを。
あいつもここにきてんのかな、そんなことをボーっと考えていると懐かしい声がした。
壇上を見て光明は驚いた。
そこには約束を交わした相手がいたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!