46989人が本棚に入れています
本棚に追加
歩く足取りは、筋肉痛で痛む。
気のせいか、アパートの階段を降りる時に出る白い手に足を取られる時間が長かった。
何事も無く学校についた。当たり前だ。トラブルなんか必要では無い。
ましてや命懸けの出来事なんか昨日の分でお腹一杯だ。
筋肉痛を堪えながら教室に向おうとした時だった。
前方から女子が歩いて来ていた。だが、ただの女子では無かった。
一言で言うなら髪が長い。腰を通り越して足の付け根まで伸ばしていた。
顔は日本人形のように整っていて本当に人工的に作り出したのかと感心してしまった。
プロポーションの方は制服のせいでよく解らなかった。
ただそれだけなら、今日は美人に会えてラッキーで終わったんだ。
彼女は俺と擦れ違いざまに声をかけてきたのだ。
「筋肉痛は大丈夫か?」
とな。思わず振り向いたが、彼女はこちらに振り向きもしないで去って行った。
何だったんだ今のは?
最初のコメントを投稿しよう!