悪夢の白鳥

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「ほう、気絶だけで済むとは相変わらず化物じみたスーツ性能だな。」 レディーウルフもファイナルファイヤーを観察していたらしく、そう呟いた。・・・そう言えば、あんな爆発の中心にいたのに焦げの1つも見当たらない。 あんな化物達と毎回戦わないといけないとは、大変な部隊に入ってしまったと改めて実感した。 スタッ! カシュゥン! ステルスヘリの中に入り、ようやくお姫様抱っこから解放された瞬間にハッチは閉じた。 俺は、ようやく訪れた戦闘からの解放感を噛み締めながら側に備え付けてある椅子に腰を降ろしてマスクのボタンを押して外した。 ああ、空気が美味い。軽く深呼吸をしてようやく冷静になれた。 レディーウルフも俺の向かい側に腰を降ろした。そして俺と同様にマスクを外して頭を横に振る。 長い黒髪が左右に揺れて思わずドキッとした。 レディーウルフは「ふう。」と息を吐くとこちらに顔を寄せて来てこう言った。 「やり過ぎたDr.ラキアに1つだけ罰を与える許可を総首領から受ける事ができた。・・・・・・どうする?」 レディーウルフはニヤリと笑いながら俺にも意見を聞いてくれた。 レディーウルフは、この一時に総首領と連絡して許可を得たのだろう。 仕事が早い人だ。 ならば、部下は返事を迷わずハッキリと言う事が義務だ。 「こういう会議なら喜んで参加します。」 俺は、返事の最中にニヤリと笑うのを堪える事ができなかった。
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