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灰色がかった長い髪に青い瞳。
人形のような白く細い体に不つり合いなごついネックレスやリングを身にまとって
指先には黒いネイル。
手荷物は
小さなキャリーバックと携帯だけ。
行く先なんてない。
ただ現実逃避して
家出をしてみただけ。
あの家に縛られるくらいなら、どこかでのたれ死んだ方がマシだ。
男「ねぇ、お嬢さん。いいものあげようか?」
沙奈「何?」
男「幸せになれる薬♪ニヤ」
沙奈「へぇ...」
男が手渡そうとしているものが何なのかはすぐにわかった。
麻薬...。
こんなものに幸せを求める程
私は落ちぶれてしまったのだろうか...。
ほとんど無意識に
私はそれを男から受け取ろうとしていた
パシΣ
沙奈「....」
???「ゴメン、待たせたね。時間ないから急ご?」
沙奈「え...」
???「おじさん,ゴメンけどその薬この子には必要ないから返しとくわ♪んじゃ」
???「ほら、行くよ」
急に男と私の間に入ってきた少年に
私は腕を引かれ男のもとを離れた。
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