黒蝶

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「で...どういうつもりですか?」 綺斗「はは; まぁ...要するに、俺らのVocalになってほしいんだよね。」 「だから、なんで私?」 綺斗「ん? 俺と同じ目をしてたから.....かな。」 「.....それ、答えになってないです。」 綺斗「はは^^ 大丈夫♪俺ら結構実力派だから」 「いや、そういう問題じゃなくて.... だい一、私Vocalなんてしたことないですし バンドなんて組んだことないですから」 綺斗「うん。でも歌は歌える。 しかもかなり上手い。」 「......」 さっきから なぜかこの人..綺斗は私の何かを見透かしような目で会話をしてくる。 会ったばかりのはずなのに ずっと前から知っているような... 変な感覚にさせた。 「黒蝶って?」 私は何を言ってもVocalをすることは逃れられないと悟り 質問を変えた。 綺斗「バンドをする上での名前。 本名...言いたくなかったら無理に聞かないから。 そのかわり、今日から黒蝶(クロハ)として活動してもらうから。」 「わかった。 でもなんで黒蝶?」 綺斗「黒亜蝶.... 闇を背負ってさ迷う黒亜蝶みたいだったから」 「へぇ...」 確かにそうかもしれない。 何もかも捨てて 家を飛び出してきて もう何も望まない.. そう思ってたんだから。 なのに.... 綺斗「美しい羽を持ってるのに それに気付かないで いる....」 「え...?」 綺斗はいきなり 私を引き寄せて 後ろから抱え込むような姿勢になった。 綺斗「俺のギターで...俺の旋律で歌ってくんない?」 「ッ...///」 耳元で囁くように 言われた言葉に 私はただ 何も考えられずに 「うん」 と、 頷いていた。
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