見えぬ敵

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愛は朝食と弁当を作っていた。 「~♪~~♪。」 鼻歌を歌いながら、盛り付けに入っていた。 「ふふ。なかなか上手くできた♪いっただきま~す。」 朝食を食べ、皿を洗う。 時間を見ると、そろそろ登校時間だった。 「と、お弁当と、果物ね。」 二つを鞄に入れると部屋を出た。 アパートの階段を下りると、優一がいたが… 何か、串に刺したものを食べていた。 「優一。おはよ。」 「………はよ。」 「なに食べてるの………?って、それ魚じゃない?」 優一は買ってきたのか、魚を串に刺して焼いたものを食べていた。 「俺の小屋では、いつもこれだ。」 「な、なかなか野性的なんだね……」 「食う?」 「あはは……遠慮しておくよ。」 笑いながら断ると、通学路を歩き出した。 こうして優一を見ていると、闇種族が何をどうやって食べて生活しているかが気になる。 「今日も果物あるよ。」 「ん。」 優一は魚を食べ終えると、手のひらにのせて火で燃やしてしまった。 「誰か見てたら……」 「誰もいない。」 「もう……」 優一の行動に呆れながらも、一緒に歩く通学路は楽しい。 太陽がまぶしいのか、先程から、なるべく影のところを歩いている。 「優一、よかったら、後で日焼け止め使う?少しは楽になるから……」 「ああ。ありがとう。」 「…。」 優一は、上を見ている。 「何かあるの?」 「……木の実…。」 「え?」 上を見上げると、何か緑色の木の実がなっている。 それは少し大きさはあった。 「あ。あれ、スーパーにたまにあるよ。確か、梅だっけな……。まだ食べたことはないけど……」 「ふーん。」 優一は興味のなさそうな素振りを見せたが、梅が見えなくなるまで、ずっと梅を見続けていた。 (本当に、木の実が好きなんだなぁ……。)
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