947人が本棚に入れています
本棚に追加
愛は朝食と弁当を作っていた。
「~♪~~♪。」
鼻歌を歌いながら、盛り付けに入っていた。
「ふふ。なかなか上手くできた♪いっただきま~す。」
朝食を食べ、皿を洗う。
時間を見ると、そろそろ登校時間だった。
「と、お弁当と、果物ね。」
二つを鞄に入れると部屋を出た。
アパートの階段を下りると、優一がいたが…
何か、串に刺したものを食べていた。
「優一。おはよ。」
「………はよ。」
「なに食べてるの………?って、それ魚じゃない?」
優一は買ってきたのか、魚を串に刺して焼いたものを食べていた。
「俺の小屋では、いつもこれだ。」
「な、なかなか野性的なんだね……」
「食う?」
「あはは……遠慮しておくよ。」
笑いながら断ると、通学路を歩き出した。
こうして優一を見ていると、闇種族が何をどうやって食べて生活しているかが気になる。
「今日も果物あるよ。」
「ん。」
優一は魚を食べ終えると、手のひらにのせて火で燃やしてしまった。
「誰か見てたら……」
「誰もいない。」
「もう……」
優一の行動に呆れながらも、一緒に歩く通学路は楽しい。
太陽がまぶしいのか、先程から、なるべく影のところを歩いている。
「優一、よかったら、後で日焼け止め使う?少しは楽になるから……」
「ああ。ありがとう。」
「…。」
優一は、上を見ている。
「何かあるの?」
「……木の実…。」
「え?」
上を見上げると、何か緑色の木の実がなっている。
それは少し大きさはあった。
「あ。あれ、スーパーにたまにあるよ。確か、梅だっけな……。まだ食べたことはないけど……」
「ふーん。」
優一は興味のなさそうな素振りを見せたが、梅が見えなくなるまで、ずっと梅を見続けていた。
(本当に、木の実が好きなんだなぁ……。)
最初のコメントを投稿しよう!