見えぬ敵

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教室では、なにか嫌な空気が流れていた。 相澤 直は、愛と優一のいるクラスの廊下を通った。 (ふぅ…少し疲れましたね。もうお戻りになったのでしょうか?) 直はクラスを覗いた。 「絶対に言うんじゃねぇよ。」 「こいつ、転校早々ムカつくんだよ。」 「きゃはは。もっと書いてやろうぜ。」 (あれは?) クラスの女子2人に、隣の女子2人が、愛の机に群がっている。 それをじっと見つめると、愛のノートに、何かを書いている。手には黒いマジックや、ペン。 ぐしゃぐしゃに何かを書きなぐっている。 直はそれをずっと目に焼き付けていた。 (それに手を出すとは…下等な人間が…) 直は不気味な笑みを浮かべた。 直はその場を離れた。 「戻ってくると困るから、ちょっとトイレよろうよ。」 「あー行く行く。」 「戻ってきたときの顔が楽しみー。」 「いい気味~。」 4人は教室を出た。 (あなた方には、少しお仕置きが必要なようですね。) 「う…クククッ…」
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