見えぬ敵

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結局、授業は自習のまま過ぎていった。 授業も終わり、連絡も手短に終わってしまった。 その瞬間「待ってろ」と優一が言うと、走っていってしまった。 優一は相談室の前に来ていた。 先ほど、"犠牲者"の女の子が入っていったところだ。 体を小さく、外から声を聞く。 「一体何が…?」 「…。」 女の子は口を閉ざしたままだった。 確か、同じクラスメートの人。 「神崎さん…話してください。何が…?」 「私だってわからないですよ!!」 無理に聞こうとする教師に、神崎は怒鳴り散らした。 優一は耳を澄ます。 「わからないって…。じゃぁ、あの三人は何で…?」 「本当にわからないんです!!4人で、4階のトイレに行こうとして…トイレの前の廊下の窓を通った瞬間ですよ!?」 神崎は、どう説明して良いのかわからなくなっている。 不可思議な事件に、頭が混乱している。 そして、恐怖におびえている。 「誰か目撃者もいないし…」 「イタズラ…?でしょうか?」 「イタズラ…?あんなのがイタズラ…?」 神崎は頭を抱える。 「イタズラ!?イタズラ!?殺される!!殺される!!あれは"私達を狙ってきたんだ"!!」 そこ言葉に、教師も優一も反応する。 どうして、殺されそうになったとわかっているのか? そして、何故4人を狙ったのか…。 「どうしてそんなことがいえるんだい?」 「声が…声が…いやああああああ!!殺される!!殺される!!」 優一はその言葉に、驚きを隠せなかった。 「声が聞こえた」というのは、まさか… (間違いない。光種族が、この人間界に降りてきた。だが、何故?人間に危害を加えて何になる?) わからなかった。 もし、コレが脅しとならば、何故4人を狙ったのか? 「落書き……あんなの…しなきゃよかった!!殺される!!!」 (落書き…?) 優一の答えにはノイズだらけがあった。 ただ、人間に危害を加えるだけではなかったらしい。"落書き"、"声"。 何かを伝え、魔法を使った。 「とりあえず、事件現場を調査する必要がありますね。」 「ええ。今後、数日間は、あそこに生徒を近づかせないようにしましょう。」 話が終わったとわかると、優一はその場から離れる。 (場所を調べる必要があるな。)
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