947人が本棚に入れています
本棚に追加
結局、授業は自習のまま過ぎていった。
授業も終わり、連絡も手短に終わってしまった。
その瞬間「待ってろ」と優一が言うと、走っていってしまった。
優一は相談室の前に来ていた。
先ほど、"犠牲者"の女の子が入っていったところだ。
体を小さく、外から声を聞く。
「一体何が…?」
「…。」
女の子は口を閉ざしたままだった。
確か、同じクラスメートの人。
「神崎さん…話してください。何が…?」
「私だってわからないですよ!!」
無理に聞こうとする教師に、神崎は怒鳴り散らした。
優一は耳を澄ます。
「わからないって…。じゃぁ、あの三人は何で…?」
「本当にわからないんです!!4人で、4階のトイレに行こうとして…トイレの前の廊下の窓を通った瞬間ですよ!?」
神崎は、どう説明して良いのかわからなくなっている。
不可思議な事件に、頭が混乱している。
そして、恐怖におびえている。
「誰か目撃者もいないし…」
「イタズラ…?でしょうか?」
「イタズラ…?あんなのがイタズラ…?」
神崎は頭を抱える。
「イタズラ!?イタズラ!?殺される!!殺される!!あれは"私達を狙ってきたんだ"!!」
そこ言葉に、教師も優一も反応する。
どうして、殺されそうになったとわかっているのか?
そして、何故4人を狙ったのか…。
「どうしてそんなことがいえるんだい?」
「声が…声が…いやああああああ!!殺される!!殺される!!」
優一はその言葉に、驚きを隠せなかった。
「声が聞こえた」というのは、まさか…
(間違いない。光種族が、この人間界に降りてきた。だが、何故?人間に危害を加えて何になる?)
わからなかった。
もし、コレが脅しとならば、何故4人を狙ったのか?
「落書き……あんなの…しなきゃよかった!!殺される!!!」
(落書き…?)
優一の答えにはノイズだらけがあった。
ただ、人間に危害を加えるだけではなかったらしい。"落書き"、"声"。
何かを伝え、魔法を使った。
「とりあえず、事件現場を調査する必要がありますね。」
「ええ。今後、数日間は、あそこに生徒を近づかせないようにしましょう。」
話が終わったとわかると、優一はその場から離れる。
(場所を調べる必要があるな。)
最初のコメントを投稿しよう!