947人が本棚に入れています
本棚に追加
優一は、東棟の4階のトイレの廊下に来ていた。
教師が片づけをしている。
(近づけないな。仕方ない。少しの間、どいてもらうか。)
優一はルーン文字を描く。
「人払い…。」
文字は飛び散り、壁へ吸収されると、人がいなくなった。
廊下を歩いていくと、ガラスが飛び散った後がある。
血の痕、焼け焦げたような壁の傷。床も、焼け焦げたような跡になっている。
近づき、その傷に触る。
「やっぱり。光魔法の魔力。」
窓ガラスの破片を拾う。
「ん?設置魔法…?」
優一はなるべくあるだけのガラスの破片を集めると、魔法人を描いた。
「我は求め訴えたり。我、優一。王族の神々の闇にて契約を結びた者。汝、オリフィエル、アナエル、ザカリエル。堕天使において、なおば力を持つサマエル。」
魔方陣が黒く光りだす。
「ラファエル、ガブリエル、そしてミカエル。創造の天使を担いて、命令に従い、それぞれ七つの惑星に陣取り、天文学の知識を。さもなくば、我が、そなた等を地獄の奥底にて、闇に包むであろう。来よ!創造の天使よ!知恵をかし、我の力となれ!!」
魔方陣が黒く黒く光ると、ガラスの破片を包み込んだ。
黒い光が晴れると、バラバラだったガラスの破片が、元に戻っていた。
少ない部分もあったが、それでも見える。
「魔方陣か?ルーンか?」
魔方陣が黒い光を薄くして消える瞬間、ガラスに見えないはずの文字が浮かび上がってきた。
「この特徴的な魔方陣。土星4か。一歩間違えれば、4人あるいは…。いや、ソウルのルーンがある。死ぬことはなかったようだが…」
あまりにも酷すぎた。
「もう一つ、土星6か。これは一般的な魔術式。ルーン文字もある。これだけ複数の魔術を仕掛けて行うとは…」
優一は魔方陣を消す。
「上級魔法者。いよいよめんどくさい事になってきたな。」
最初のコメントを投稿しよう!