見えぬ敵

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影がフワリと浮く。 その姿は闇に溶け、顔がわからないが… 優一は構える。 「……―――。」 青白い光を放ちながら、魔法が飛んでいく。 それは急に白い光によって消えた。 「聖職者か。だが……」 優一は口をあけ、歌い出す。 影は、それを見ると優一に真っ直ぐ向かってきた。 優一の目が、青く光ると、闇が深くなる。 「闇を呼びましたか……ならば……」 深くなる闇に、影は白い光を空中に飛ばした。 すると、白い光ははじけ、いきなり闇が晴れた。 「…人工太陽か。」 「…。」 影は魔法を唱える動きをする。 無数の白い矛が、優一に向いていた。 「ホーリーランス……」 「させるかよ……。…――。」 優一も青白い無数の光を集め、それをぶつけさせた。 激しい音と、煙があがった。 影は空中をフワフワ浮いている。 闇種族にとっては空中が苦手だ。そして、優一に、羽根はない。それを知って空を飛んでいる。 「あまり派手にはやりたくないが…」 影は、また魔法を使おうとする。 優一は足でぐるりと素早く円を描く。 「だがな、空中も地を味方するんだぜ。グラビィティ!!」 優一は円の内側を足で勢いよく踏みつけると重力が強くなる。 「っ――…」 影はどんどん低く降りてくる。 優一は円から電流を流し出す。 「同時魔法ですか。」 「……ゴホ……」 唱える途中、咳が突然襲う。 「…!」 その途中に電流を放ったが、影は弱まった魔法に魔力を流し込む。 魔法がぶつかり合い、また再び煙があがった。
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