12人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はユウ。
今日から職に着く新卒生だ。
どこに就職するかと言うとペットショップだ。
親からは「仕事内容のわりにはお金にならんよ。」としきりに言われたが、俺は動物関係の仕事以外はする気はなかった。
・動物が好き
・動物と話せる
・得意教科は理科
こんなスキルの俺が行くところは動物関係の他に何があると言うのだろうか。
特に二番目のやつ‼
そんな訳で親の言葉をひたすら無視して家から比較的近いペットショップへと就職を決めたのだ。
そんで、今日が初出勤だ。
心臓をバクバクさせて事務所へと赴き店長に挨拶を済ませて案内された場所は小動物のエリアだった。どうやら俺は小動物担当になるらしい。
小動物エリアのドアを開ける。
おお、独特のにおいだ。
ここはあえて漢字を使わない事にする。漢字にしたらイメージが分かれるからな、ここは読者の感性で漢字を入れてくれ。
小動物エリアに入るとそこに生息する小動物達が目覚め、けたたましく騒ぎ始めた。
普通の人は『喧しい』とか『元気だなぁ』とか思うのだろうが……『鬱陶しい』俺はそう思った。
四方八方から。
【おう、もう朝か‼】
【おっはよー‼ご飯ちょーだい❗】
【メシ❗メシ❗】
【誰だてめぇ❗】
【おいハゲ❗そいつ誰だ、新人か?】
と聞こえてきたもんだから鬱陶しい以外にはウザいくらいしかないだろうな。
ちなみにハゲとは店長の事らしいな。ここには俺と店長しかいないし、俺ハゲてないし。
すると一匹のフクロウが。
【待ちたまえ君たち、そんなにいっぺんに質問や要望を言っては対応が出来ないというものだ。】
物凄くシブい声が響きわたる。
すると動物達は急に静まり返る。
いやぁ実にありがたい、もう少しで「うるせぇ‼」と叫ぶところだった、そうなっては店長に良いイメージは与えられないだろうからな。
俺はフクロウに礼を口に出して言おうかと思ったが止めておいた。動物に本気で礼を言う奴などそれこそ良いイメージは与えられないだろう。
そんなわけで今は無視、他の動物からえらく文句を言われたがひたすら無視する事にした。
俺は店長とエリアの裏手、作業場へ回っり店長から仕事の段取りと内容を聞き事務所へ戻る店長を見送り一人になった。
「さっきはありがとな、助かったよ。」
フクロウに礼を言っておいた。
【構わんよ、少年。】
その言葉を聞き俺は作業を開始した。
最初のコメントを投稿しよう!