後悔という名の一歩道

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この際だ、聞いてみるか。 「今人間と話してみたいって言っていたが何か話したい事でもあるのか?」 【……………。】 「おい、どうした?」 【……………。】 フクロウはなかなか口を開かなかったのは、もしかしてすごく言いにくい事なのだろうか……。 まさか元住んでいた森に帰して欲しいとか言うんじゃないだろうな。 そいつは無理なはなしだぜ、俺の一存でどうこうなる問題じゃないからな。他の希望である事を祈るとしよう。 「なんだよ、そんなに言いにくい事なのか?そりゃ森に帰りたいとか買ってくれなんかは俺には無理だが他の事ならなんとかなるかもしれないぞ。とりあえず言ってみろよ。」 【……………。】 フクロウは俺をジッと見つめている、まばたきもせずに。何かを考えているのだろうか。 しばらくフクロウの沈黙は続いたが、やっと言う決心が出来たのかまばたきを1回して口を開いた。 【暗幕をかけてくれまいか?】 はい? 俺は作業を一旦止めてフクロウに視線を向けた。 「すまん、何だって?」 【だから、暗幕をかけてくれまいかと言ったのだ。】 そんな事かよ‼ 人間と話してみたいって言っていたからよっぽど重要な事と思って心配してみれば暗幕かよ。 しかしだ……。 「すまん、そいつは無理だな。」 当然だろう、ペットショップは動物を売る所だ。いくらフクロウが夜行性で明るい所が苦手と言われても暗幕をかけて商品を見えなくするなんて出来るわけない。 【やはりか、もしかしたらと思ったのだがな。】 「なんとかしてやりたいのはやまやまだが暗幕をかけるのはちょっと無理だな。」 【なに、気にすることはない。元々私も無理を承知で話してみたのだからな。】 【しかし……。】 ん、まだ何かあるのだろうか。 【少年よ、私を買えないのか?】 まーた無茶な事言い出しやがったぞこいつ。 「無茶言うなよ、お前いくらだと思ってるんだ、そう簡単には買えない値段だぞ。」
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