生と死は紙一重

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僕は卓袱台から上半身だけ動かして、近くに置いてあったコーラを手に取り彼女の前に置く。 彼女は黙ってコーラを開けてゴクゴクと炭酸飲料を体の中に流し込んだ。 「げぇぇっぷ」 「女性としてはしたないぞ」 「コーラを渡したからだろ」 「炭酸飲みたいって言ったじゃん」 「サイダーの方が良かった」 「飲んだ後に言うなよ」 彼女は飲み終わったコーラを卓袱台の上で転がして遊ぶ。が、 「暇」 すぐに飽きて空のコーラは卓袱台から落ちていった。 「トランプやるか?」 「昨日やったじゃん」 「ウノやるか?」 「昨日やったじゃん」 「………」 「………」 毎日同じ事やれば飽きるよな。 彼女のために通ってた大学辞めたから24時間ずっと会えてるけどやる事ってなくなるよな。 でも他に時間潰すモノなんてないのが現状だ。 「なんで生きてんだろうね」 「急にどうしたよ?」 彼女は卓袱台に顔を乗っけて僕の顔を見る。 「なんで死なないのかな」 「生物としての本能じゃねぇ?」 「いいよそんなの」 「本能をそんなのか」 「終わってしまえ」 「過激すぎるだろその発言」 彼女は卓袱台を乗り越え僕の体に抱き付いてくる。
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