*予感*

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話しを遮るように、料理が運ばれて来た。 でも、私たちは手をつけようとはせず、しばらく、皿の中に彩られた、美味しそうなパスタを、フォークでクルクル巻いたりしていた。 私は迷ったけど、知佳にそっと言った。 「無理して、笑って...泣いてみたら?」 「泣けないよ。今ここで泣いたら、お店にいるお客さん皆ビックリして、じろじろ見られちゃう。」 私の言葉に、彼女はいつもの彼女らしい笑顔を見せた。 それから、パスタを口に運びふたり静かにランチを食べた。
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