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彼の愛想がどこか嘘臭く思っていたのと､あまり深入りしない方がいいと､不思議とそう感じていた｡
彼の方も､私に対してはあまりいい印象を持っていなかったと､後々に聞いた｡
聞かなくても､私たちの間にはいつも壁が在った｡
だから､何となく彼も私を苦手に思っているんだと言うことは気づいていた｡
出逢った頃彼は既に結婚していて､まさか関係が始まるとは微塵も思っていなかった｡
第一に､お互いに印象も悪く､そんな事になるって考えたこともなかった｡
そう思うと､どこで誰と繋がるのか､縁と言うものの不思議に驚かされてしまう｡
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