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「誰だよ、オッサン」 青い髪の少年が、背中を土に押し付ける老人の額に、鉄のパイプを突きつける。 目は鋭く、とても小学校入学前とは思えない凶暴な表情の子供。勧誘しようとしただけなのに、何が問題なのだ。という考えでいっぱいの老人が、必死の抵抗を試みていた。 「怪しくないよー、ほーら恐くない恐くない。お兄さんのお話聞いてくれるかなー?」 「どう見てもジジイじゃん」 抵抗しない事を示すかのように手を挙げる老人の頭上にしゃがみ込んで、何とも可愛げのないセリフを吐く髪の赤い少女。こういうのを毒舌とでも言うのだろうか。 最近の若者の無情さに、老人はエゴに悲しみながら、全身金ピカのヒーロースーツに付いた土を払いながら立ち上がる。大人も過ぎた自分の身長の高さに呆気にとられる三人の子供の顔を確認しながら、ニッコリ。 「もう一度聞くよ? 夢、持ってるかい?」 「はい! はい! おれ、あるぞ」 意外にも、先程まで老人を敵視していたあの青い髪の子が、誰よりも早く真っ先に反応してくれた。鼻の絆創膏にしわが寄るほど、無垢な笑顔で。 「おれは世界一強くてカッコいいロボットを作る! それでそれで! 悪の組織をやっつけて、英雄になるんだ!」 この輝かしい眼差しが、あの恐ろしい眼差しと本当に同じなのだろうか? 老人は驚きながらも興味深く、しかしニッコリと微笑みながら二度頷く。 「平和が敵みたいなこの世界で、どこに悪の組織建てる暇人がいるのよ」 「おやおや可愛いお嬢さん。君の夢は何かな?」 先ほどまで老人を見下していた女の子は、自前のワンピースを整えながら改まって口を開いた。
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