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驚いたな、中学の試合は片手で数えられるほどしか出てないのに。なんかさっきから驚きっぱなしだな。
「うん、あのあかつきでキャッチャーやってたでしょ?ってうちの中学と練習試合したじゃない!忘れちゃったの?」
「うーん、忘れちゃった。あの中学のことをあまり思い出したくもないしな・・・」
(一体何があったんだろ?)「そうなんだ・・・。あの時キミのキャッチングを見て、あんなキャッチャーとバッテリーを組んでみたいってずっと思ってたんだ。そしたらキミが同じ高校だったんだもん。ボク嬉しくてさ、声をかけたんだ」
「そっか、そこまで俺のことを評価してくれるのは嬉しいな。けど、さっきも言ったんだけど、もう俺は野球をする気はない。悪いが他をあたってくれ」
勝哉はあおいにそう言った。するとあおいは
「そう・・・、わかった。ごめんね、時間かけちゃって。じゃ、また明日ね」
と言って教室を後にした。その時勝哉は去りぎわのあおいの悲しそうな顔が妙に心に残ったのであった。
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