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『カーン!』
部屋にあるテレビから心地よい金属音が聞こえる。
『またも入ったーっ!あかつき大付属の主砲宮前、本日2本目のホームランです!』
アナウンサーの実況が響き、スタンドからも大歓声が挙がる中、画面にはガッツポーズをしながらダイヤモンドを回る選手が映っていた。
彼の名は宮前 勝昭(ミヤマエ カツアキ)。あかつき大付属高校不動の4番を務める3年で、王貞治の再来とまで言われた天才スラッガーだった。高校通算本塁打数は80本を超え、日本だけでなく、メジャーからも注目を集めていた逸材だった。
勝昭がホームインした瞬間、部屋の中にいた少年がテレビを消した。
「またまた大活躍、周りが更にうるさくなるな。まったく、変な期待を背負うこっちの身にもなってくれよ・・・」
そう呟いた少年の名は宮前 勝哉(ミヤマエ カツヤ)といい、勝昭の弟。あかつき中学の1年で野球をしており、キャッチャーを務めている。
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