閉眼

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都合の良い夢だった。 男は出発する。 近所の人は誰も見向きもしない。 男も挨拶もしない。 近辺の人間にとって、男は景色と変わらない。 バス停に着くと、バスが来たので乗り込む。 いつも自分の座る席へ落ち着き、 バスの良い心地の揺れにまどろんだ。 これが男の日常である、と。 あの夢の世界は忘れろ、と。 男は眠りに落ちる。
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